「三つの春」と書くきれいな名がつく福島県の三春町より、
立春から大寒までの二十四節気の暦の流れに沿って
書き留められた風景や生活を綴ったエッセイが届きました。
『三春タイムズ』は著者の長谷川ちえさんの7冊目の本です。
読み進めていくと、町の音や季節の変わり目の風を肌に感じ、
訪れたことのない町なのに、そこに住んでいたことがあるような
懐かしい風景が広がります。

発行と編集は永井宏さんの「愉快のしるし」の信陽堂さんです。
信陽堂さんは、2020年の暮れから本の出版を始められました。
その時にいただいたご案内にあります文章がとても好きです。
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焚き火のまわりに集まって、
見聞きしてきたことを分かちあうような、
鳥の声や風の音になぞらえて歌を紡ぐような、
私たち信陽堂が選んだ仕事は例えてみればそのようなことだ考えています。
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…..本とは
人のいとなみからあふれた何ごとかをはこぶための器。
信陽堂の本の最後のページはこの言葉で終わります。
そういう思いで作られる本(器)を、私たちの暮らす山間の小さな町からも
お届けできることもまた嬉しいのです。
so little